考える物置

日々あったどうでもいいことやどうでもよくないこと

020 秀徳 善4号店(築地/新富町)

 先月。妻の仕事が一段落したので、その慰労として妻の好物の寿司をそれなりの値段でいただこうと、築地。前日に思い立ちお店に電話すると、運良く昼の時間帯12時で予約が取れた。

 当日。カウンター10席と規模は小さいが小綺麗な店内。前はもう少し板前さんはお年を召した感じだと思ったんだけど、30代から40代くらいの人に変わっていた。店舗がいくつかあるから、他のところでやっているのか…?それにしても、前の会社でよくしてくれた野村さんって人に似ている。D'elrangerとDie In Criesが好きだった野村さん、元気かな…。

さて、妻が白子ポン酢とあん肝どちらも捨てがたいと悩んでいると、板前さんが「白子ポン酢とあん肝半々で出そうか」と嬉しい提案をしてくれる。それならと酒を一合頼み、銘柄は寿司に合うものとお任せしたところ黒龍。ほう。

 板前さんと話していると、12時からのお客さんが1時間後ろにずらして13時からに変更した後に俺が予約を入れたらしく、運が良かったよ、とのことだった。居酒屋予約運健在。

 あとは特選十貫握りで、もはやネタも覚えてないがただひたすらに美味く心地よかったという事実だけが残った。

 回転寿司だと、まあ確かに寿司は寿司でうまいが酢飯に醤油をつけて食べるという行為が大きいところを占めている、俺の中で。ネタと酢飯っていう認識が強いからそう思えるのだろう。ところがこの秀徳 善、全てが渾然一体となって目の前に出されるわけ。寿司が寿司として食うことができる。

 そしてなにより目の前で展開される手さばき。プロの技を間近で見られるというのが最高。まな板の上で腕を振るいながらもうるさくなく話さなさすぎることもなく会話をし、ネタの解説をしてくれる。バランス感覚がすばらしい。

 5,000円の握りのコース2人分にお酒とつまみを頼んで、会計は結局14,000円ほど。ライブパフォーマンス込みと考えると、かなり安上がりだし、滞在時間も1時間半くらいと言ったところなので、コストパフォーマンスもいいと言えるのでは。

 もっと早く体験していたら今が違っていたかもしれないものというのがあって、一つは「Back To The Future」、二つ目が「LUNA SEA」なんだけど、3つ目に「寿司」が入ってきた。たぶん、あの仕事を小さい頃に目の前で見ていたら、寿司職人になりたいと言っていたかもしれない。

019 / 転換

 レコーディングはというと、はっきり言って頓挫だと感じている。ほかの人の中ではどうなのかわからないけど、少なくとも俺の中では、俺から連絡して数日返事がないから、もう無い。そのためにミキシングを勉強したり、レコーディングのやり方を考えたり、ガイドトラックを作ったり、した上でレスポンスがないのは空しい。

 ただし、ミキシング自体はとても楽しく、学び続ける価値がある。次の教則本を購入し、取り組んでいる。 

音圧アップのためのDTMミキシング入門講座! (DVD-ROM付)

音圧アップのためのDTMミキシング入門講座! (DVD-ROM付)

 

 付属DVDに素材のデータ(加工前の生データと加工後のお手本データ)が収録されており、DAWに取り込んだ上で、テキストの指示に従って加工前の生データにEQをかけたりエフェクトをかけたりしながら加工後のお手本データに近づけていこうというものだ。『音圧アップのための~』と銘打ってあり、俺のような初学者にとっては、必ずしも音圧アップを目的としているわけではないが、目指すところがハッキリしていて良い。ひとまずはEQやコンプのかかり方を理解して、お手本に近づけていくことが大事とテキストに書かれており、できあがりのお手本に対する音の好みはあるにしてもそれはまったくその通りだと思う。音楽を始めて10年以上経つというのにコンプの設定の意味を全く理解していなかったが、このテキストのおかげでここにきてようやく各パラメータの意味、かかり方を理解できた、という。最近ではiZotopeのNeutronという、自動でミックスの内容を提案してくれるという優れものも登場している(レコーディングをしようとしていたバンドではない他バンドのメンバーが持っている)が、人の手でやるということに大きな意味があろう。

 それから、バンドをもうひとつ増やしてしまい、レコーディングどころではないというのもある(上手くいかないバンドメンバーへの当てつけという意味合いも含んでいる)。『最初はサポートとして参加し、相性が良ければ正規メンバーとして参加』とはいうが実際はこれオーディションである。バンドのメンバーのtwitterにアップされている演奏動画を見る限りかなりレベルが高く、『俺以外全員格上』というちょっといままでそんなに経験してこなかった状況に置かれている。そしてこれがけっこう大変なことで、仕事がそれなりに忙しいこの状況で来週の日曜日までにコピーを2曲とオリジナル曲を1曲覚える必要が出てきた。内容はアニソン系で、あれだけ目の敵にしていたアニソンを必死に耳コピしている。レベルが高いということと時間があまりないということという不安要素があるがワクワクもしている。今日は早く仕事を上がれたので、コピー1曲目を大まかに覚えることができた。去年、学生時代に所属していたサークルの現役生と曲決めセッションを行ったときも思ったが、学生時代はもっとサクサク曲を覚えられた気がする。やっぱり記憶力が少しずつ低下しているんだろうか。それから普段自分のフレーズばっかり弾いていると苦手なフレーズはまず選択しないので、たまにコピーをすると全然弾けないフレーズがちょいちょい出てくる。これは修行になる。オーディション自体は俺のレベルが足りてなくてすぐにお払い箱になるような気がしているが、物は試し・いい経験と思ってやってみる。ちょっと違った世界に踏み込んでみるのもいいだろう。

018 / 備忘

 なんやかんやあってバンドでレコーディングするかもしれないことになったので、そこに至るまでの過程や思ったことを記録しておく。仮にレコーディングが成功すれば、今後マニュアルとして活用する。

 そもそもレコーディングをすることになった経緯とは、他のメンバーが「バンドは続けたいけどライブ(集客)はしたくない」からである。それってどうなん?消去法でやってもいいものができるとは到底思えないが、そのバンド自体は無くすには惜しいので、やむなくそうすることにする。

 初回ミーティングでは、とりあえず1曲だけとってみよう、ぐらいの温度感でフワッと終わった。本依頼前提で1コーラス無料オンラインミックスという、素材のデータを送ればミックスをやってくれるスタジオがちらほらあるようだ。なので、1曲分素材を録り、どんなもんになるのか試してみようよ、ということだ。

 正直、やるならやるでどれくらいのボリュームのものを作るのかを決めてバツッと取り掛かりたいものである。相手からしたらこちらはビジネスの相手方だし、お試しでミックスなりマスタリングなりをやり、良いと判断しても期間も定めず素材ができたら本依頼というのでは、それが例えば1年後だったりしたらあまりに都合が悪かろう。できればすべての素材を録り終えてから検討したい。

 それに、外注するとなるとお金がかかる。安いところで録音からミックスまでエンジニア立会いが1時間4,000円とか、トラック数にもよるけどミックス1曲20,000円とか、そういう感じである。マスタリングもとなったらさらにだ。1曲につき時間がどれくらいかかるかもよくわからんし、やるとなったらフルサイズの作品を作りたいという気持ちもある。プラススタジオ代。そうすると、総額でいくらかかるんだろう(そういった、だいたいこれくらいで1曲録れるという基準を作るという意味合いで1曲だけとりあえずというつもりかもしれんが)。

 ついでに、ボーカルとドラムの補正は別料金だったりする。Cubaseが使い慣れてるからCubase基準なんだけど、ボーカル補正は最上位のProというやつにしかついてなくて、それが50,000円くらい。Proにはリズムをグリッドに良い感じに合わせられる機能もついている。ソフトウェアを共同購入して、共同出資者は恩恵には与るが所有はしないという(俺がCubaseを購入し、俺だけが操作する)場合、共同出資者からどれくらい金をとれば妥当とかいう線はあるのだろうか?まあ他にも流用できるものとして普通に俺が俺のものとして単独で買うけど、興味はある。

 ということで、あまりにお金がかかりすぎるのも、採算がとれないことが分かり切ってる以上、また趣味である以上、そこまでやる気になれないというのも事実。であれば、ミックスとマスタリングは自分でやるというのが一番俺の中では濃厚な線だ。さしあたって、次作るデモは頑張ってやってみることとする。今後、ここをこうするとうまくいった、次はこうしたいというものがあったら、ここに記録していく。

 サポートがあったり、資格取得のための勉強なんかもしたいから、主導権くらい他の誰かが握ってくれるとありがたいもんだけど。

017 / 大人

いろいろなことがある。

先日、学生時代のバンドのメンバーと飲みに行った。

俺はそのバンドを結成するにあたり母体となる学生時代の集団の同窓会兼ライブイベントの今年の幹事だ。その話題に触れないということは、その集団に所属していた人間なら難しいはずだが、だれもなかなかその話題に触れなかった。

全くそういうつもりはなかった、というと必ずしもそれは正しくない。

しかし、俺はそういう雰囲気には敏い、と自分では思っている。少しトイレで席を外して、戻った時に「じゃあ、来月からスタジオ入ろっか。」とカマをかける。そうすると、少し互いに牽制しあっていたような空気が緩む。おそらくみんな、少しは俺がそう切り出すのを望んでいたんじゃなかろうか。

そこからは、話が早かった。あんなことがあった、こんなことがあった、と思い出話に花が咲く。活動1年間で10曲以上生まれた曲たちのエピソード。あの曲はすごい好きだけどライブでは1回しかやってない、とか。あるコンテストで都道府県の代表になった。そのコンテストのファイナルが大地震で中止になってしまったが、そのときの審査のコメントは今でも持っている、とか。俺はバンドのリーダーで、活動を仕切ってきたからそのすべてを把握しているもんだと思っていたが、意外と忘れている。

思い出の話ばかりしたが、俺たちは今に生きてる。俺が幹事をするその同窓会兼ライブでなくとも、なんでもいいから今後を見据えて2本3本とライブをしたい、ということ。活動するにあたり、かつてのライバルたちに「前の方が全然良かった」と言われる、そういうこともあろうが、何よりも自分たちに自分たちのクオリティを求めることが怖いということ。でもメンバーのひとり曰く「少なからず全員活動したいという気持ちはある。お前がやるというならやる。」ということ(大人になった今、自分から何か始めることは本当に難しい。みんな誰かに背中を押してほしいのだ)。

マイナスの感情は少なからずあるけど、乗り越えていく。大好きなバンドの受け売りだが、最高だった時があるなら、今はそれより高いところに登っているはずなんだ。

016 i cant

 発散する場がなくてせめて言語化するか、と思っても表現できねえ、っちゅう状態になる。『良さ』を言葉で表現できなくなってしまった。なんで良いと思ったのかわかんないし、そこに理由をつけるのは野暮な気がしてしまう、ようになってしまった。あと『良さ』だけじゃなくて、『ネガティブな感情』も表現できない。これは趣味の問題。でもできるだけ書く。

 アルファベットは小文字が好き。文頭も固有名詞も小文字で書いちゃう。好きだから。

015 反省とジレンマ

 先日、久しぶりに…そんなに久しぶりでもないか。ライブに出演したんだけど、そこで表現したかったことの1/3も伝わらなかっただろうな、という、見るも無残な結果となってしまいましたっちゅう話で。

 それは持ち曲全部やるっていう詰め込みに詰め込んだセットリストのせいでほとんどMC無しのノンストップとなってしまったがためであり、俺(等)ぐらいの未熟者ではやっぱり言葉による説明で補足しないとどうにもならないことを痛感した次第(まあ、説明なしでできればPink Floydレベルだよ…という気持ちもありつつ)。

 わかってもらいたいという気持ちもありつつ、しかし音は音のみで完成させたいという気持ちが勝っているので説明はできない。難しいところだ。

014 或いは

 最近SNSで(といってももうすでにブームが沈静化しつつある) 流行っている『私を構成する9枚』ですが。人によっては絵画であったり映画であったりするのかもしれないんですが、音楽でやってる人が多いように見受けられました。かくいう自分も音楽。そんで、俺みたいなヒヨっ子が玄人ぶってなんかそういうのもどうだかな~と思ってたんだけど、結局「まあいっか」となって、やりました。

 てなわけで、やったはいいけど、単なる懐古趣味及び自己顕示欲で済ますのはやめようと、地続き感が必要であろうと考え、考えに考え、9枚を選び出したわけであります。

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1. L'Arc~en~Ciel / Clicked Singles Best 13

ラルクは1番好きなアルバムを決められないのでベスト盤。10歳かそこらぐらいからずっと聴いてるし、ベースもコピーしていたので、まさに自分の感覚の基本。あまりにもあまりになんで、多くは語れない。自分も素人とはいえバンドをやってて曲も作っていて、ラルクみたいにいろんな曲をやりたいと思っている。

2. キンモクセイ / 風の子でいたいね

12歳とか13歳あたりに聴いてたから2002年とか2003年ころほんの一瞬だけ世間的にも流行ったんだけど、名前をきいたら「あー」ってなりそうな、そういうバンド。改めてきくと、メロディの運びのあたりとか影響受けてるなーって思う。

3. CAPCOM / カプコンミュージックジェネレーションファミコン音楽全集 ロックマン1~6

音楽がカッコイイってはじめて思ったのがゲームミュージックっていう人はかなりいるんじゃないかと思います。俺の場合はたぶんロックマンX2のオープニングステージだと思うんだけどCD持ってないので、持ってる無印ロックマンのほう。FF4の四天王バトルとかFF6の決戦、クロノトリガーの魔王決戦とかも。ステージがあってそこにマッチする音楽があって…状況があって音楽が完成するっていうのはここからすでにあったのかも。それからもちろんおそらく原体験であろうという意味も込めて。

4. LUNA SEA / LUNACY

LUNA SEAは18歳ぐらいでOne Night Dejavuから入ったクチ。これは大学入ってから聴いた終幕前ラストアルバムだけど、それを差し引いてもこんなヒリヒリした雰囲気をCDにパッケージできるなんて…。2011年に1stの再録が出た時も、こんなにも熱をCDに込められるのかって衝撃だったけども。ラルクっていわゆるバンドらしさからはけっこう遠いところにいるじゃないですか、大げさだけど構築美っていうか。LUNA SEAはそれとはちがって、衝動的なところもあってバンドらしい。バンドらしさを意識したのはLUNA SEAがはじめて。

5. LUNKHEAD / [vivo]

21歳かそこらで聴いたのかしら。最近はLUNKHEADも丸くなってきたけど、このへんはかなりドロッとしてたんですよ。動画みつからないんで貼れないですけど、アルバム終盤に『泥日』~『螺旋』~『風の作り方を知っているか』っていう暗くて激しい流れがあって、LUNKHEADもオリジナルメンバーのドラムが脱退した時期だったし、個人的にけっこう落ち込んでた時期に聴いたしでそのへんもシンクロしたんでしょう。説得力があるなーって思ったわけです。

6. BULL ZEICHEN 88 / Prologue

地獄のメカニカルトレーニングフレーズの地獄カルテットっていうバンドがありまして。超絶技巧が大好きなころは好きだったんだけど、超絶フレーズがありきで曲ができてるってあたりにセンスを感じなくなってきてたんですが、これは曲が先にあってテクニック当てはめていくっていう、新しくも音楽表現の正しいあり方だなーって思います。練習しても全っ然できねーけど、これ聴かなかったらテクニックの練習は続いてなかっただろうな。

7. Pink Floyd / Wish You Were Here

墓に一緒にいれてほしいアルバム。はじめて聴いたのは18歳かそこらで、プログレ四天王だし『複雑なプログレ』を期待して聴いたら全然変拍子でもないし、拍子抜けだなとか思っていたんですが、22歳くらいで聴いたら急に良さが分かりました。『Shine On You Crazy Diamond』は歌詞を見ずに、「気だるくて物悲しい曲だな」と思いながら内容を知ったらまさにその通りで、歌詞の意味がわからずとも音だけで全てわかるって、音楽の究極の形じゃないか?と思うようになったわけです。あと、2曲目『Welcome To The Machine』は宇宙を感じる。

8. Kidneythieves / Zerospace

これ聴いたのは2014年と最近だった気がするけど、インダストリアルの無機質なサウンドとスクエアなビートにゴシックな雰囲気を纏った、今の自分の好みにドンピシャ。ビートはタイトであるべきだし、なんなら同期モノをつかってバンドをやりたいって強く思うようになったのです。

9. P.F.M / Photos Of Ghosts

これを聴いたのはほんの数ヶ月前、去年の夏ごろ。イタリア野郎の作る音楽はヤバイ。思想・宗教・土着の音楽等々、全ての要素がリアリティとなって脳天を直撃してくる。俺の作る紛い物のロックなんてイタリアンロックの前では紙くず同然じゃないか、と思ってぜーんぜんバンドやる気なくなった。結局は、俺が思うこと感じたことが音になればそれ即ちリアリティって思うようになった、思想的に超重要盤。

 以上、ここまでやる人はあまりいなかったんじゃないかな?という。ここまでやってはじめて意味のあることになるんじゃないかと思ったんだけどどうすかね?