考える物置

日々あったどうでもいいことやどうでもよくないこと

023 ベース練習環境について(オーディオI/Oを用い、できる限りコストをかけずそれなりの音で練習する)

 「オーディオインターフェイス(以下、「オーディオI/O」という。) もっと早く買っときゃよかったなー」って話と、ビギナーに(ベーシストのみならずギタリストにも) 届くといいなあという希望。ここではベースを例に挙げて話を展開していく。

 『オーディオI/Oを使いDAWで逐一録音をすべきだった』と反省するとともに、『ビギナーはフロアタイプのチューナーでも買ったら次はオーディオI/Oを買うべき』『オーディオI/Oさえ買えばタダでもちょっとした音で練習できるよ』と主張するもの。絶対大学生なんかさ、サークルの悪い先輩が「サンズとかダークグラスとか良い音するよ」とか言ってくると思うけど、耳を貸してはいけない。まあアンプから簡単にかっこいい音を出すにはあったほうがいい物なんだけど。

 DAWで練習するメリットはなんといっても『録音して反省する』が手軽にできるところ。バンドでスタジオで合わせてどうこうって、アンプから出た音がほかの音と混じりあうから、ミュートはちゃんとできてるか?とかフレーズの完成度のジャッジが難しいし(漠然と「弾けてないな」という認識になりがち) 、バンドメンバー全員がメトロノームになるのでリズムの揺れに対する責任の所在も曖昧になるよね。でも、DAWに練習したい曲を取り込んで演奏してたら電気信号はミスを逃してくれないし、テンポは必ず一定。否応なく現実と向き合うことになる。最近ぽつりぽつりと演奏動画を作っているけど、毎回「ヤバ」って思ってる。

 さて、オーディオI/Oで練習するのはいいけど、なーんにも手を加えないとしたら、これくらいの音が出る(フレーズは…ご愛嬌) 。※オーディオI/Oは、とりあえずはHi-Zと書いてある入力があるもので、かつDAWが付属していればなんでもいいんじゃないでしょうか。

soundcloud.com  これだけだとちょっと練習するにはテンションのあがらない、ラインの音(ちなみに、クロマチックトレーニングなんかの基礎連はあえてラインの音でやっている。後から出てくるアンプシミュレーター(以下、「アンシミュ」という。) で音がリッチになると、誤魔化しが生まれる気がして) だ。練習するにしても、もっといい音で、楽しく練習したいところだ。

 そこで、コストをかけずにそれなりの音を作るべく、最近知った、サンズのベードラモデリングした無料のプラグイン、TSE AudioのBODを入れてみる(本当は先にアンシミュを入れたいところ、こっちを先にしたほうが後での違いや本プラグインのそれっぽさが浮き彫りになるのが面白いのでこちらを先に使ってみる) 。

TSE Audio - Software

zipファイルをダウンロードし解答。あとはハイハイと進んでいけばスンナリと使えるようになっていた…はず。もしDAWを起動してプラグインになかったら、DAWVSTのフォルダなりに拡張子がdllのファイルを置きDAWを再起動。

 プラグインを立ち上げてみる。

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いかにもサンズのベードラなヴィジュアルだ。これ単体で挿しても音が出ず、なんだろなーと弄っていたら、CONFIGでInput Channelを選んであげる必要があった。

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右チャンネルを使っていたので右チャンネルを選んでやる。右チャンネルをステレオ入力にしていたので、それをモノラルにしたかったらStereo OperationでOn/Off切り替えを弄る。

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 すると、これくらいの音が出る。

soundcloud.com EQを弄ってやればもう少し気のきいた音になるかもしれないけど、コストをかけずそれなりの音を出したい、が主旨だ(ここで言うコストは金だけでなくEQを弄る手間を含む。プラグインをダウンロードする手間もコストでは?という問いに対しては「それは必要なコスト」と割り切り無視することにする) 。これではラインに毛が生えた程度の音なので、アンプを鳴らしているような音にしてやりたい。そこで、アンプシミュレーターを導入してみる。IK MultimediaのAmplitubeのフリー版があるので、それを使ってみよう。

IK Multimedia - AmpliTube Custom Shop

 ユーザー登録した上でダウンロードマネージャー的なものをインストールし、登録したユーザーエリアのMy Productsからシリアルナンバーを確認し…とちょっとめんどくさかった気がするけど、DTMまわりはそんなんばっかりだから慣れた。慣れよう。

 すると、これくらいの音がする。

soundcloud.com ここまでくると、練習する気になる音になっているのでは。音がだいぶふくよかになっているぶん、できていないところを覆い隠してしまうかもしれないというデメリットもあるとは思うが、楽しく気持ちよくやれるのが一番。サンズのベードラも実機は持っていないから詳しくはないけど、アンシミュの前段にBODをかますと「あ、この音サンズだよ~」と一般ベーシストがイメージする音になる。BODの「これこれ」感もアピールしたかった部分だ。

 そもそもAmplitubeは別にDAWを立ち上げなくてもスタンドアロンで使えるから、メトロノームを鳴らしながら普通に練習するのもお手軽(その場合BODはかますことができないけどね) 。メトロノームもわざわざ買わずとも、Googleで『メトロノーム』って検索したらブラウザ上で使えるしね(機能はテンポ調整だけだが)。とにかく、サッとベースを持ってサッとオーディオI/Oにプラグを挿しすぐそれっぽい音が出せるという、練習への気持ちを下げないための時短が大事だ。

 でも結局、ここでの音ってのはヘッドホンやイヤホンで、聴覚で感じるものにすぎない。聴覚だけでなく、空気の振動を身体で感じること以上に音の気持ちいい体感の方法はないので、定期的に爆音を浴びるのが健康的だ。以上。