考える物置

日々あったどうでもいいことやどうでもよくないこと

013 2015

古いのばっかり。

 

Light Bringer / Clockwork Journey

多少のアニソンくささはあるものの、プログレメタル、メロスピの影響のある日本のメタルバンド。こういうカテゴリ分けの仕方は好きではないが、いわゆる嬢メタル。ヴォーカルFukiの力強すぎる歌声が苦手だったが、メジャー3枚目のアルバムにして彼女の表現力がグッと増し一気によくなった…のだが、活動休止。非常に残念。リード曲のコレより、ポップで胸キュンなM5『魔法』がスゴク良い。メタルバンドだけどポップソングのセンスも良い。

 

Focus / Eruption

オランダのプログレバンド。M1『Hocus Pocus』の印象が強いが、美しい曲が多い。アルバムのラスト(というかB面?) を飾る大曲『Eruption』は本当に見事。ラストへ向かってのぼりつめていく、いかにもプログレという壮大な一曲。

 

Battle Beast / I Want The World… And Everything In It

フィンランドのパワーメタルバンド。バンド名からしてド直球、クサすぎる!! もはやBattle Beastといえばヘヴィな4つ打ちというイメージ。3枚目のアルバムであり最新作の『Unholy Savior』収録で、1st、2ndと比べてサウンドがちょっとパワーダウンしているところが残念だったが、曲自体のクオリティは落ちていない。発売後にメインコンポーザーでありギタリスト、アントン・カバネンがバンドを脱退。今後どうなるんだろう。

 

Bauhaus / In the flat field

ゴシックってどんな音なんだろうと思って。音というより、退廃的な雰囲気がゴシックというものなんだと認識。なんとも表現しがたいが、「コレはマジなのか?」という…まあ、こういうもんだ。

 

D'Angelo / Ain't That Easy

発売からは少し出遅れたが、スゴいのがきたな~、と。ズルッズルなリズムに完全にヤラれる。メッチャスゴイい、としか言えない。iTunesで買ったんでブックレットがなくて詳しくは知らないんだが、歌詞の内容が意外と社会派らしい。

 

Die In Cries / Nervous

大好きなミュージシャンの一人、yukihiroがL'Arc~en~Ciel加入前にやってたバンド。Zi:killを経て、かねてからやりたかったインダストリアルロックを室姫深とようやく実現させたってイメージ…なのに、わりとすぐ解散。ピッコロスネアとロートタム、左右にセットしたハイハットによる無機質なグルーブがかっこよすぎる。

 

The Cure /One Hundred Years

陰鬱、退廃的。ニューウェーブ & ゴシック。ダークな成分を求めてる時に完ぺきに摂取できる感じ。コレだよ、コレ…。イントロのフレーズだけでほぼ1曲持ってくところがスゴイ。

 

Laputa / 揺れながら…~Swing Sway Away~

Deadendトリビュートから、ヴォーカルのAkiが気になって。名古屋系。やっぱこのあたりはまだニューウェーブだよな。もう少し年代が進むと完全に歌謡曲になって、転換点がジャンヌダルクって解釈(脱線)。民族楽器的な音のイマイチパッとしないイントロとギターがいかにも90年代V系って感じで、メチャクチャ良い。クセのあるヴォーカルもハマるとすげえイイ。

 

Pat Metheny Group / Au Lait

『Offramp』から。カヌーでゆったり川を下っている映像がなぜか浮かんできた(本来はどういう曲なのだろう)。音から画が想像できる曲が素晴らしいってのが俺の中にあって、これはまさしくそういう曲。大好きなミュージシャンのひとりSUGIZOがフェイバリットとして挙げていたため。

 

Prince / Rainbow Children

黒いけど洗練されてる、これがミネアポリスサウンドか~と。とにかく音が良い。すごく良いんだけど、悪い感じにズルズルと引きこまれるのでちょっと注意しないといけない。

 

Crystal Castles / plague

エレクトロでゴシックだと思う。今年のテーマはゴシックだったようですな。それにしても、オフィシャルの動画の割には画が動かなくてビビった。

 

King Crimson / thela hun ginjeet

これまでは宮殿と太陽と戦慄、Redしかきいてなかったが、これまたSUGIZOのフェイバリットがディシプリンだというので。確かにLUNASEAのギターワークはこのころのディシプリン期の影響を受けているかもしれない。この人たちはその時その時の流行を押さえた上で活動していたと思うんだが、この頃はどこかニューウェーブ風で、そこが昔からのファンには受け入れられなかったのかな。あとからききはじめた身としてKing Crimsonでしかない。カッコいい。

 

CHON / Story

いままでこういうポスト/マスロック系は敬遠していたんだけど、珍しく日本人好みのするコードワークをしていると思って、そこがいちばん取っ付きやすかった理由かな。難しくすると曲がとっちらかるとこはどうしてもあると思ってて(ナントカシアターとか)、そのへんのポップさとのバランスがすげーなー。

 

LUNKHEAD / スターマイン

今年トップ3に入るくらいの曲…なのにフザけたPVがもったいないよ。オリエンタルな音づかいはもうお家芸というか。Bメロの切ないメロディとギターとの絡みが絶品。

 

Swervedriver / Pile Up

シューゲイザーといえばマイブラのゴーッてイメージだったので、ビート感のしっかりしたシューゲイザーってあるんだ!! っていう。俺の中ではあんまりシューゲイザーじゃないんだけどこれはカッコいい。

 

フレデリック / オドループ

俺が気に入らねーのはテメェーだよタコ

 

Dream Theater / The Enemy Inside

ナントカシアターのとっちらかってない曲。イントロで(あ、これドリムシだ)ってわかるのはすごいし、素直にカッコいい。ボーナストラックでカラオケverが入ってたのには笑った。

 

Renaissance / Can You Hear Me

少しプログレ四天王から離れようとした頃。収録作は『Novella』、邦題は『お伽噺』。まさしくイメージする西洋のお伽噺が展開されるよう。この曲はアルバム1曲目、2曲目『The Sisters』も絶品。

 

James Brown / Super Bad

すべてが今更なんだが、今更帝王JB。ゴンゴン来る。このころはまだブーツィーじゃなかったんだっけ?

 

neco眠る / すごい安い肉

最高にすごく安い肉。はっきり言って1分でいいし、そろそろ終わるかな、と思ってもまったく展開せずなかなか終わらない。ツッコミたくなるところが良いんだろうな~。

 

Kidneythieves / Zerospace

インダストリアルの波。MinistryとかKMFDMとかも良かったんだが、遅いテンポに最もグルーブを感じた。それに加えてちょっとダーク。

 

U.K. / In The Dead Of Night

一般的には2ndのほうが評価が高いのかな?でも1stのが好き。ウェットンがディシプリンにムカついてブルーフォードとはじめたもんだと思ってたら、U.K.のが早かったみたい。いかにもイギリスのプログレで大変よろしい。

 

Anglagard / Jordrok

北欧のダークプログレKing Crimson的な激しさとYes的な構築美。暗くってめちゃくちゃカッコイイ。

 

Premiata Forneria Marconi(P.F.M.) / Life Of River

プログレっていうかイタリアン・ロック。イタリア人の作る音楽は土着のものを強く反映しているような印象を受ける。リアリティが段違い。自分も曲を作るんだが、なんかめちゃくちゃ凹んでバンドへのやる気を持てなくなったほど。

 

UVERworld / 7th trigger

歌詞がクサくて中学生御用達みたいな扱い受けてるようだがフツーにカッコいいじゃん。歌詞の乗せ方が独特。

 

Porcupine Tree / Deadwing

あのロバート・フリップも認めたっていうか、King Crimsonのリマスター盤のマスタリングかなんかをこのバンドの中心人物がやってるくらいだし、ドラマーはKing Crimsonのメンバーだし。硬派。

 

筋肉少女帯 / 混ぜるな危険

最新作『おまけのいちにち(闘いの日々)』からうしおととらの主題歌。うしおととらも好きだし、筋少も好きだし、聴けば聴くほど主題歌は筋少以外ありえないな、という気になってくる。普段よりピッキングハーモニクスも多めに入ってる気がするし、フィルでのやりたい放題、全編通してのドタバタ感がたまらん。CメロはNARASAKIっぽいな~と思ったり。サビの頭じゃなくて、「どたん”ば”」「かまう”か”」みたいな言葉の終わりででクっていくのが斬新だった。あとM11『おわかりいただけただろうか』が感動モノ。

 

L'Arc~en~Ciel / Wings Flap

今年最後に出してくれてありがとう、って感じだ。1曲でこんなにいろんな色を見せてくれる曲はなかなかないでしょう。バズをちょうどよく混ぜてドライブさせてるようなベースの音がすごく好み。バンドサウンドではないんだけど、バンドだからってバンドサウンドである必要はないな、って思う。yukihiroのスネアがピッコロから普通の胴の深さのやつに変わったことは前のがよかったなー。左右の空高くそびえる2枚のチャイナもなくなったし。それはそうとアルバム作ってほしい。

012 ノスタルジック・ネバール

 ねば~る君というキャラクターをご存じだろうか。納豆の妖精という設定の、明らかにふなっしーの二匹目のドジョウを狙った茨城県非公認ご当地ゆるキャラである (ルックスもかなりふなっしーを意識していると思われる)。

 最近、このねば~る君の形をした『ねば~る君コーラグミ』とやらをコンビニで見かけるようになった。さすがに納豆味はマズいと思ったのだろうか、同系色のコーラ味で攻めてきた模様。コーラ味に目のない俺はどんなもんかと気になり手に取ってみた次第である。結論を先に言うと、(少なくとも今年食ったグミの中では) 最もうまい。今年最高のグミである。

 なぜ最高かというと、とにかく懐かしい味がするのだ。昔幼いころ食ったアンパンマンとかそこらへんの幼児向けアニメキャラのパッケージのグミの味とでも言おうか、そういうグミが実際にそういう味なのかははっきり言って覚えていないが、懐かしさを覚える味だ。母に買い与えられて食べたグミの味だ。最近だとハリボーフェットチーネ、あとはGOCHIなんかもコーラ味が出ているが、ザラメがついてる・すっぱい・噛みごたえが独特といった具合で、コーラ味にもそれぞれ独自路線があって、最近っぽい。

 そこへきてこのねば~る君コーラグミ、なんの捻りもないただ単に嘘っぽいコーラ味なんだが、大人になった今そこがたまらない。うまいとかマズイじゃない、なぜか感じる懐かしさに完全に俺の心はヤられてしまった。Pink FloydのShine On You Crazy Diamondをはじめて聴いた時のような、寂しくも充実した気分。新興コーラ味グミ達がそれぞれ個性を打ち出す中、シンプルにコーラ味のみという純粋な力のみで他を圧倒するその姿、王者の風格である。パッケージにもねば~る君がプリントされてるだけで特にキャラクターを前面に押し出しているわけでもないという、ちゃんとしろっていう雰囲気もまた良い。

 現時点で2015年最高のグミ、ねば~る君コーラグミを食べてノスタルジィを感じろ。

011 あの頃

 転職してしばらく経った。にもかかわらず、先日勤務時間中に前の職場の先輩から仕事に関する(と言ってもこの程度の事を仕事と呼ぶべきではない) 電話がかかってきたため、思うところを綴るものである。

 その電話の内容はこうだった。「社用車のスペアキー(以下 鍵 と表記する)のがどこにあるか覚えているか?メインのキーはある」…転職してからもう10か月だし、その部署を異動になってから既に1年以上が経っている。とはいえ、実際に鍵が保管してあるであろう場所には見当がついたため、その旨を回答した。しかし数分後、再度その先輩から電話がかかってきたため、「おっとこれは…」と思いながら電話に応対する(作業中であったため1回目のコールを悪いと思いながら無視したが、間髪入れず2回目のコールがあったところから先輩の焦りようが伝わってこよう…常識がないという可能性も否定はできない)。曰く、案の定「鍵が見つからなかった」。

 この「鍵を紛失した」という状況、普通の組織なら、既に退職した人間がおそらく勤務中であろう時間帯に電話がかけてくることはあまりないんじゃないかと思う。あっても6時過ぎとか、定時を過ぎたあたりでかかってくるものなんじゃないか。また、鍵を紛失したことを咎められることはもう仕方ないとして(責任の一端は俺にもあるような気がする)、社内でなんらかの手続きを踏んで業者に「鍵なくしたんで新しいのください」と頼んでいくらか払うしかないんじゃないか。しかし、それを許さない組織が存在するのである。俺が1年前までいた所がそれにあたるのだ。

 この会社、創業約25年、従業員数は700名ほどで、未だ現役の創業者が一代でそれまでの規模に作り上げてきたのだ。それ故創業者一族の権力は絶大である(田舎だし)。そしてこの創業者の息子さんが会社のなかでけっこうお偉いさんなんだがパンチの効いた人物で、この「鍵を紛失した」という状況で彼がどう行動するのかを次段落でシミュレートしていきたい。

 まず、なぜ鍵を探しているのかというと、息子さんが「鍵を集めろ!!」と指示しているからであろう。理由はちょっと見当がつかねえ。そして鍵がないとわかるや否や、彼は「なんでねぇんだ!! 探せ!!」と癇癪を起こすのである。神に等しい存在であるお偉いさんにそう言われては、いち従業員は鍵を探すしかない。どんなに切迫した仕事が目の前にあろうとね。そしていよいよ見つからないとなった時に、「お前らの管理が悪いんだ!! お前らにはもう仕事はまかせてらんねえ!!」と降格や左遷を強行した上で、彼は業者に「鍵作れ」と指示を出す。鍵が完成したら、「俺が手配したおかげで鍵が手に入ったぞ。俺がいねえと何もできねえバカばっかりでよ~」と上機嫌だ。下手すると鍵は自分でワザと持っており、仕込んだ上で気に入らない従業員の足を引っ張るというスゴイ手を使うこともあるというし、従業員の足を引っ張ったことも嬉々として語るのだ。

 人間は共通の敵がいると強く結びつくもので、こういうトンでもない人がいると、従業員間での「つらいけどガンバろうね」という雰囲気と、なにかあったらお互い助け合おうという意識はすさまじいものがあった。謎に善人ばかりが集まっていて、逃げるように退職する時も「次の会社でもガンバってね」と言ってもらえたのだった。彼ら彼女らに関しては、間違いなく心から応援してくれたと断言できる。

 今まで口頭ではうまく説明できなくてヤバい奴がいるとしか言えなかったが、文章にするとちゃんとそのヤバさが説明できる。俺はこういう環境が嫌で仕方がなくてサッサと逃げ出した。ちょっと久しぶりにそのヤバさに触れたので、ちょっと当時を思い出して書いてみようと思った。

010 4月度俺アワード

 今月も終わろうとしているので4月度ベスト曲を決める。その月にはじめて聴いたCDアルバムをリストアップしその中から1曲選ぶものである。「その月に発表された作品」のみでなく、「私自身が始めて聴いた曲」を対象とする (たとえ50年前の曲であろうと、はじめて聴くものは対象となる) 。

 今月新たにライブラリに追加した曲は次の通り。今月はほぼ邦ロックである。

  DAZZLE VISION / FINAL ATTACK

  GusGus / Mexico

  LUNKHEAD / 家

  ONE OK ROCK / 35xxxv

  ゲスの極み乙女。/ 魅力がすごいよ

  魔天楼オペラ / AVALON

 今月のベスト曲はLUNKHEADの家からM11『スターマイン』に決定。


LUNKHEAD「スターマイン」 - YouTube

 PVが出たばっかりのときは (なんだこれ…ふざけた曲だな) と思っていたが、聴けば聴くほどハマっていく。憂いを帯びたメロディが美しいのはもちろん、それを歌う声も表現力があって良い。イントロとAメロからは (もともとLUNKHEADの得意とするところであった) オリエンタルな雰囲気が漂う。Aメロではライドシンバルのカップで刻んでいるようだが、これが『お祭り感』を出すのに一役買っている。またギターはBメロのオクターブ、及びソロが絶品。年間でもトップに食い込むんじゃないかというハマりようである。

 スターマインの次にゲスキワの魅力が凄いよから『サリーマリー』、魔天楼オペラのAVALONから『天国の扉』と続く。DAZZLE VISIONは女の子がスクリームするというところにグッとくるし、ラウドだがサビでメロディがしっかりした展開をもってくるというところが邦楽的で良い。

 それにしても、本筋とは関係ないが、Last.fmのScrobblerがイマイチ正確にはたらいていないようで、聴いた曲が飛び飛びで記録されているのが悲しい。

009 完全敗北宣言

 ゲスの極み乙女。(以下ゲスキワ) の1stフルアルバム『魅力がすごいよ』を聴いた。聴く前はゲスキワのことが大嫌いだったわけである。ゲスの極み乙女なんてバンドなもんだから、ミドリ的な女の子がギャーギャー喚く過激な音なんだろうなと思っていたら、クラブジャズ的なバックに、しかも歌ってるのは男じゃねえか!! オ…オレはキレた。それ以来ゲスキワが大嫌いだったのだが、ロクに聴かずには批判もできまいと思い、聴いてみることにした。以上が今回ゲスキワを聴くに至った顛末である。そして前置きが長くなったが、結論から言うと、けっこう良かった。

 ではなぜ良かったのか。まず曲がキレイで、耳触りが良い。分析は面倒だから割愛するが、けっこう凝ってるな~という印象がある。メロディがキレイだよ。それから、メンバーそれぞれからプレイヤーとしての実力を感じる。勝手に4つ打ち・ハット裏打ちの印象を持っていた(あながち外れてはいなかった) が、最近流行の高速のそれではないし、なによりこのリズム隊ならBPMの速さに頼らなくても人を躍らせることは難しくなさそうだ。上モノの方はというと、ヴォーカルギターだけどしっかり1本のギターとして機能してるし、鍵盤は鍵盤で短大の音楽科卒ということだ。

 しかし、息の長いバンドとなれるかといったらそれは疑問。メロディはキレイではあるんだけど、なんだか無機質で歌謡曲的ではないように思う。そういう理由から、(今はテレビでタイアップがついたりしているみたいだけど) こういうジャンル(冒頭でクラブジャズと書いたが、本当はこういうジャンルはなんていうんだろう)の音楽が日本のチャートに定着して生き残っていく未来が想像できないのである。それから、wikipediaによると、"『ヒップホッププログレバンド』を自称している"そうである。これは彼らの身のために、滅多なことはいうもんじゃないと、ぜひ止めてほしいところではある。

 まあそんなところで、以上がゲスキワを聴いた感想である。なにより今回思ったのは、食わず嫌いはよくないっちゅうこと。次はセカオワか?

008 単なる文字の羅列、特に意味はなし

いまさらながら2014年にライブラリに追加したCD達をリストアップしてみた

6月
Incognito / Bees + Things + Flowers
Incognito / Life, Stranger Than Fiction
OKAMOTO'S / Let It V
geek sleep sheep / night porter
cali≠gari / 11
Chick Corea / The Best Of Chick Corea

7月
Frank Zappa / We're Only In It For The Mothers Of Invention
Michael Schenker / Tmple Of Rock
ANTHEM / HEAVY METAL ANTHEM
Cajun Dance Party / The Colourful Life
Cream / Wheels Of Fire
シド / OUTSIDER
睡蓮 / ひたひた
DAZZLE VISION / SHOCKING LOUD VOICE
Soilwork / The Living Infinite
The Moody Blues / Every Good Boy Deserves Favour
Michael Schenker Group / One Night At Budokan
Dream Theater / Train of Thought
Mike Oldfield / tubular Bells
Camel / '73-75 Gods Of Light
Steve Vai / Passion And Warfare
Various Artists / LUNA SEA MEMORIAL COVER ALBUM -Re:birth-
Red Hot Chili Peppers / I'm With You
Joy Division / Closer
Stevie Ray Vaughan / Couldn't Stand The Weather
Base Ball Bear / 二十九歳
Frances The Mute / The Mars Volta
Europe / Rock The Night: The Very Best Of Europe
UVERworld / LAST
Rage / The Best From The Noise Years
the HIATUS / A World Of Pandemonium
the HIATUS / Keeper Of The Flame

8月
Opeth / Heritage
Dream Theater / Metropolis Part 2
Enforcer / Death By Fire
黒夢 / 黒と影
quasimode / Soul Cookin'
kamomekamome / Happy Rebirthday To You
DragonForce / Maximum Overload
中川翔子 / 9lives
Trivium / Shogun
Linkin Park / A Thousand Suns
QOOLAND / 毎日弾こうテレキャスター
パスピエ / 幕の内ISM

9月
In Flames / Siren Charms
Scoobie Do / SPARKLE

10月
L'Arc~en~Ciel / EVERLASTING
筋肉少女帯 / The Show Must Go On
FLATBACKER / 戦争(アクシデント)
Yes / Fly From Here
Soft Machine / Six
カフカ鼾 / Okite
APOGEE / OUT OF BLUE
BULL ZEICHEN 88 / HIMANCHU
Borm Of Osiris / Tomorrow we Die Alive
Dream Theater / A Dramatic Turn Of Events
DragonForce / The Power Within
Yngwie J. Malmsteen / Attack!!
Pink Floyd / The Division Bell

11月
CHON / Newborn Sun
Pink Floyd / The Endless River
凛として時雨 / Enigmatic Feeling
King Curtis / Live At Fillmore West
DEAD END / Shambara +2
Curtis Mayfield / Superfly
美狂乱 / Anthology Vol.1
Creature Creature / INFERNO
Camel / The Snow Goose
Genesis / Seilling England By The Pound
Opeth / Ghost Reveries
Mike Oldfield / Ommadawn
Scoobie Do / MIRACLES
フルカワユタカ / emotion
椎名林檎 / 日出処
浜田麻里 / INCLINATION
Nothing's Carved In Store / Strangers In Heaven
陰陽座 / 魔王載天
Guns N' Roses / UseYour Illusion II

12月
TK from 凛として時雨 / Fantastic Magic
Dir en Grey / DUM SPIRO SPERO
キンモクセイ / 13月のバラード
レキシ / レシキ
LAID BACK OCEAN / Bifrost
X / JEALOUSY
Various Artists / DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-
在日ファンク / 笑うな
La'cryma Christi / Greatest-Hits
Laputa / Best AL+CLIP 2000~2004
TK from 凛として時雨 / flowering
rega / Million
LUNA SEA / NEVER SOLD OUT 2
D'Angero / Brown Sugar
Prince / The Gold Experience
Iron Maiden / The Final Frontier
cali≠gari / 10

007 林檎は熟して落ちた

別題 椎名林檎とぼく

 そもそも椎名林檎を聴きはじめたのは東京事変が最初であった。高校生の時、ベースを始めたばかりの俺に、クラスメイトが「東京事変きけよ、ベースかっけーぞ」と『教育』の入ったMDと一緒にバンドスコアまで貸してくれたことがきっかけだ。群青日和と遭難と御祭騒ぎのベースラインを気に入り、一気にコピーしたものだ。

 その後『無罪』→『勝訴』→『加爾基』と聴き、無罪だけ異様にズドンときたため通学・学習・睡眠のおともにヘヴィーローテーション(勝訴と加爾基は後ほど聴いてみたら激ヤバだった)。そのうちメンバーチェンジ後の東京事変から『大人』が出、「おっ」と思っていたら『娯楽』で「なんだこれ…」となり、そのまま椎名林檎関係の新作はレンタルで旧譜価格になってから追いかけるようになる。

 こうして振り返ると、僕は椎名林檎のロックサイドに魅力を感じていたことを再認識する。特に東京事変『娯楽』以降はギタリストとキーボーディストが曲を書くことが増え、ポップで振れ幅がすごく大きくなった。いろんなことができるメンバーだからかアレンジは洗練されている。しかしそれだけに(上手く表現できないが)、なんだか印象の薄い曲が多くなったことも確か。

 さてそんなこんなで待望の最新作『日出処』である。2回通して聴いてみた感想は、「まあこれはポップでいい曲達ですね」というところ。しかしこれは、やっぱり俺の期待する椎名林檎ではなかったな、である。

 かつてはズバズバと切れ込んでくる印象のあったメロディの運びだが、なんだか釈然とせず、いちいち頭の中に疑問符が浮かんでくるため入り込めない。それだけでだいぶ曲自体の説得力の無さを感じる。そこにさらに、レベルが大きいボーカル・コーラスが重ねられている部分が多い為、とっちらかっている。ホーンセクションやパーカッションもふんだんに取り入れられスタイリッシュなアレンジになっているが、純度が低く聴こえる。

 はじめからわかっていたことだが、『無罪』が好きな耳からしたらこれは残念盤。かつて"同情を欲した時に全てを失うだろう"と歌っていたが、はたして、と思う。