考える物置

日々あったどうでもいいことやどうでもよくないこと

017 / 大人

いろいろなことがある。

先日、学生時代のバンドのメンバーと飲みに行った。

俺はそのバンドを結成するにあたり母体となる学生時代の集団の同窓会兼ライブイベントの今年の幹事だ。その話題に触れないということは、その集団に所属していた人間なら難しいはずだが、だれもなかなかその話題に触れなかった。

全くそういうつもりはなかった、というと必ずしもそれは正しくない。

しかし、俺はそういう雰囲気には敏い、と自分では思っている。少しトイレで席を外して、戻った時に「じゃあ、来月からスタジオ入ろっか。」とカマをかける。そうすると、少し互いに牽制しあっていたような空気が緩む。おそらくみんな、少しは俺がそう切り出すのを望んでいたんじゃなかろうか。

そこからは、話が早かった。あんなことがあった、こんなことがあった、と思い出話に花が咲く。活動1年間で10曲以上生まれた曲たちのエピソード。あの曲はすごい好きだけどライブでは1回しかやってない、とか。あるコンテストで都道府県の代表になった。そのコンテストのファイナルが大地震で中止になってしまったが、そのときの審査のコメントは今でも持っている、とか。俺はバンドのリーダーで、活動を仕切ってきたからそのすべてを把握しているもんだと思っていたが、意外と忘れている。

思い出の話ばかりしたが、俺たちは今に生きてる。俺が幹事をするその同窓会兼ライブでなくとも、なんでもいいから今後を見据えて2本3本とライブをしたい、ということ。活動するにあたり、かつてのライバルたちに「前の方が全然良かった」と言われる、そういうこともあろうが、何よりも自分たちに自分たちのクオリティを求めることが怖いということ。でもメンバーのひとり曰く「少なからず全員活動したいという気持ちはある。お前がやるというならやる。」ということ(大人になった今、自分から何か始めることは本当に難しい。みんな誰かに背中を押してほしいのだ)。

マイナスの感情は少なからずあるけど、乗り越えていく。大好きなバンドの受け売りだが、最高だった時があるなら、今はそれより高いところに登っているはずなんだ。